【天体観測】春は「宇宙の窓」を体感する季節。

無数の星の帯、天の川をご覧になったことはありますか?
天の川は、灯に邪魔されない場所で、月明かりの無い状態のとき、夜空を見上げると見えやすいのですが、天の川は私たちが住んでいる地球、そして太陽系や太陽をもふくむ1千億個もの星の集団「天の川銀河(銀河系)」を見ている状態です。

天の川と呼ばれるのは、アジアでは、夜空に光る光の帯を「川」と表現することから。七夕伝説の織姫と彦星が年に一度会う事ができるのは「天の川」を挟んでいますよね。ちなみにギリシャ神話では「乳」とされているため「ミルキーウェイ」と呼んでいます。

天の川銀河は渦を巻いた円盤状になっていて、真横から見ると薄い凸レンズのような形をしています。地球を含む太陽系は銀河系のかなり端に位置しています。それで、太陽の位置から円盤の方を向いてみると、夏と冬には円盤を平行方向に見ることになるので、天の川を観察することができます。

(画像:国立天文台HP)

図を見ていただくとわかりやすいと思いますが、秋と春は円盤から垂直方向になってしまうため、天の川は見えにくい状態になります。殊に春の星座の方向は星の数が少ないため、ちょうどぽっかりと空いた穴…空間があって、天の川銀河の外の銀河、遠くに存在する銀河を見ることができるのです。こうした状態を「宇宙の窓」と呼び、双眼鏡や望遠鏡ではるか彼方の銀河を探すのに適した季節とされています。

「宇宙の窓」という響きが、なんともスケールが大きくロマンチック。この機にお近くの天文台や、天体観測のイベントなどに参加して専門家から話を聞いてみるのもよいかもしれませんね。

(アール)

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