【本当は怖いクマの話】クマ被害から逃れるために大事なこと

クマの目撃情報や被害情報が報道され、中にはクマと闘った人の紹介などもありますが、クマはそう簡単に勝てる相手ではありません。とても恐ろしい事件を引き起こし、多くの人命を奪った例もあります。

■三毛別羆(ひぐま)事件

日本史上最悪とも呼ばれているクマによる被害の事件。巨大なエゾヒグマが民家を何度も襲い、死者・重傷者合わせて10名を超えました。この事件を題材にした本も出版され、テレビやラジオでドラマ化されるなど、多くの作品が制作され発表されました。
事件を起こしたヒグマは、火を恐れることなく、執着心が強く、逃げる(動く)ものを追います。衝撃的なのは、クマが人を襲って怪我を負わせただけでなく、人を食べたという事実です。一度口にした人間の味を覚え、何度も民家を襲ったのです。身の毛もよだつようなこの事件を知ると、クマと遭遇したときにとても闘う勇気などもてなさそうです。

■今年のクマは活動期間が長い?

猛暑・豪雨など気象に関する異常が多かった今年の夏。クマの行動にはどのような影響を与えているのでしょうか。今年は ①山の木の実がかなり豊富にあること ②残暑が長く続き気温が高い期間が長いこと などから、クマが冬眠に入る時期が遅いといわれています。
野山にエサとなるものがなく、食べ物を求めて人間の住む区域にまで足を踏み入れて遭遇するという可能性は低いかもしれませんが、キノコ狩りやキャンプなどアウトドアレジャーで遭遇する期間が長引いたり、可能性が高くなるかもしれません。十分な注意をお願いいたします。

■クマとの遭遇を避けるには

クマだって人間を襲うために出てきているわけではないのですが、お互いのためにも、クマとの遭遇は避けたいもの。どんなことに注意すればよいのでしょう?

*クマの出没情報をチェックする
・クマが出たという情報があった地域にはできる限り近寄らない
・早朝や夜間は出会う可能性が高くなるので注意する

*クマに自分の存在を知らせる
・鈴(クマ鈴)など、音が出るもので存在を知らせる
※ただし、一度人を襲って食べたことのあるクマは鈴の音を頼りに近寄ってくるという説もある

*クマがいそうな場所に注意する
・見通しの悪い場所や狭いところには注意が必要(気づくのが遅れます)
・山すその林や川沿いのやぶなどにも注意が必要(突然ばったり出会ってしまう可能性があります)

■それでもクマと出会ってしまったら…

クマとの距離によって少し対処が変わってきます。共通して言えることは、あわてず急な動きをしないことです。

*クマが遠いとき
・あわてず、さわがず、落ち着いてその場から離れる
・大声を出したり、走ったりしないこと
・写真を撮るなどの行為は慎む(特にフラッシュ厳禁)

*クマとの距離が近いとき
・落ち着いて、ゆっくりとその場から離れる。その際、クマに背を向けずに、クマを見ながら、ゆっくり落ち着いて後退すること

*クマとの距離がかなり近いとき
・急な動作に驚いて攻撃してくる可能性があるため、絶対にあわてず冷静に、クマが立ち去ってからその場を離れる
・とにかく首を守ること

<まとめ>
今回はクマの恐ろしさについて書きましたが、クマも自然の一部で生態系の中で大きな役割を担っています。今の環境下で人もクマもお互い圧迫しあうことなく生きていくためにはどうすれば良いのか、これからの課題として考えていく必要がありそうですね。

(アール)

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