8月17日は「伝統的七夕」です。伝統的七夕は太陰太陽暦(旧暦)の7月7日にちなんだ、太陽暦以前の七夕のことです。
太陽が沈んだ宵の空には七夕の星たちが空高く輝き、細い月が南西の空にあります。空が暗くなったらおりひめ星(こと座の1等星・ベガ)とひこ星(わし座の1等星・アルタイル)などを見つけることができるでしょう。もし、光の影響を受けない暗い場所にいることができたら、せっかくなので天の川をさがしてみましょう。
画像:国立天文台HP
かつて、七夕は8月の行事だった!?
ところで、なぜ「七夕」とは別に「伝統的七夕」があるのでしょう?現在、日本で使われているカレンダーは「太陽暦」(グレゴリオ暦)。太陽の周りを地球が一周する日数(公転の周期)を基準にした暦(こよみ)のことで、1年365日。実際には誤差があるので、4年に1度調整する年をもうける閏年(うるうどし)がありますね。一方「太陰暦」とは、月の満ち欠けを基準にしたもの。これだと1ヶ月が29〜30日となるため、季節と月日がずれていくこと必至です。このため「伝統的七夕」は、毎年日にちが変わります。
日本は以前、この「太陰暦」を主に使っていましたが、1873年(明治6年)からさまざまな事情によって「太陽暦」を使う事になりました。…とすると、七夕の歴史のほうが日本の太陽暦採用より古い!ということになりますね。では太陰暦時代の七夕はいつ?というと「8月に入ってから」だったのです。8月だと確かに日本各地でも梅雨明け後。大気汚染もネオンサインもない、真っ暗な夜空に天の川がきらめいていたことでしょう。
今年の「伝統的七夕」の夜、月は夜半前には沈んで月の影響がなくなり、天の川がくっきりと見える観察条件となりそうです。古(いにしえ)の七夕を楽しむのもオツですね。
(アール)