各地で厳しい暑さが続いています。6月からの気象状況を振り返ってみますと、日本付近は暖かい空気に覆われやすかっただけでなく、梅雨前線の影響が小さく、高気圧に覆われて晴れの日が多くなりました。また、日本周辺域の海面水温もかなり高くなったことで、全国的に顕著な高温となりました。6月・7月における気温は統計史上1位の高温を記録しており、この夏(6月~8月)は”統計史上最も暑い夏”となる可能性があります。
一方、降水量は梅雨前線や8月の停滞前線の影響をあまり受けなかった北日本や東・西日本の太平洋側で少雨となりました。その影響で多くのダムの貯水率が低下したり、断水や農作物の枯死などの影響が多くみられました。8月前半に日本海側を中心にまとまった雨が降ったことで少雨傾向は解消された地域もありますが依然としてまだ渇水の状況は解消していない地域もあり、今後もしばらくは雨が降りにくい予報となっています。引き続き節水対策を行い、農作物や水管理に注意が必要です。

平均気温の傾向(9月~11月)
向こう3ヶ月(9月~11月)は、インド洋東部からフィリピンの東方海上にかけて積乱雲の発生が多く、上空の高気圧は北側、太平洋高気圧は南東側への張り出しが強くなる見込みです。加えて、北日本付近~日本の東海上の海面水温が高いことから上空の偏西風は平年より北偏して流れやすくなる予想です。そのため、暖かい空気に覆われやすい状態が持続し、気温は全国的に平年より高くなるでしょう。例年であれば9月~11月は夏から秋へ季節が進行していきますが今年はその進みが遅い傾向があり、特に10月にかけては高温偏差となる予想です。11月頃になると、寒気の影響を受ける西日本や沖縄ほど平年並みの気温に落ち着いてくる見込みですが、北日本では依然として高い状態が続く可能性があります。

降水量の傾向(9月~11月)
向こう3ヶ月(9月~11月)は、高気圧の縁辺を回る南からの湿った空気が流れ込みやすく、沖縄・奄美で平年並みか多くなるでしょう。ただ、月別の予測でみると10月は低気圧や秋雨前線の影響を受けて、沖縄・奄美、西・東日本の太平洋側の地域でやや多雨傾向が予測されています。また、台風や秋雨前線の影響を受けやすい時期でもあり、多雨傾向が予測されていない地域でも最新の気象情報にご留意いただくことが大切です。
(担当:りょた)