土砂災害にご注意ください!

日本の国土には傾斜が急な場所が多いため、他国よりも土砂災害が発生しやすい環境にあります。地震などにより、土砂崩れの危険性も高くなりますのでさらに注意が必要です。今回は土砂災害について基礎的な情報をまとめてみました。ご参考ください。

土砂災害の発生件数

土砂災害の危険性が高い場所は、土砂や砂礫などの流出を防ぐための砂防設備が整えられています。とはいえ、それにより全ての土砂災害を防げるわけではありません。2013年には941件、2014年には1,184件もの土砂災害が発生しています。

2014年8月20日、広島県広島市で発生した土砂災害の被災者は、書籍『平成26年8月20日 広島豪雨災害 体験談集』(発行:公益社団法人 砂防学会2014年8月広島大規模土砂災害緊急調査団)の中で「玄関を突き破り土砂が流入してきていた」「一瞬のうちに身体が流され柱にぶつかった」などのように土砂災害を表現していました。この言葉からも分かるように、土砂災害が発生すると避難する時間はほとんどありません。わずか数分で家屋や命を奪ってしまうのです。

危険な場所・避難先を知っておきましょう

土砂災害の被害を防ぐためには、あらかじめ情報を入手しておく必要があります。国土交通省が発表している「各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域」に、自宅や勤務先などが含まれていないか確認しておきましょう。

豪雨や長雨が予想される場合、気象庁が発表している「土砂災害警戒情報」を確認する必要があります。該当する地域の土砂災害警戒情報が発表されていたら、素早く避難しなければなりません。自宅や勤務先などの付近にある避難場所を前もって調べておき、有事の際、迷わず避難できるようにしておきましょう。
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2009年7月19日から26日にかけて、中国地方と九州地方北部を襲った集中豪雨による土砂災害の発生現場(山口県防府市・国道262号線・佐波山トンネル付近)。写真提供:一般財団法人 消防科学総合センター(http://www.isad.or.jp/

土砂災害の可能性がある場所に自宅や勤務先などがある方は、豪雨や長雨などの際、危険が迫る前に避難しなければなりません。土砂災害は自然現象が原因であるため、その発生を事前に予測することは困難です。果たして何を契機に避難すればいいのでしょうか。

土砂災害の前兆とは?

土砂災害とは、豪雨や長雨、地震などを原因とした崖崩れ、地滑り、土石流による災害のことを言います。それらは発生する際、前兆となる現象が見られる場合もあります。

崖崩れの際には、湧き水の増加や濁り、小石の落下、崖に発生する亀裂など。地滑りの際には、井戸水の濁り、地鳴りや山鳴り、地面に発生する亀裂など。土石流の際には、河川の濁りや水位の低下、山鳴り、流木や転石の音の発生など。このような現象に気付いたら、すぐに避難場所に移動しましょう。

ただし、夜間や雨量が多い場合など、これらの前兆に気付きにくいことも考えられます。また、土砂災害が発生する際、必ずしも前兆となる現象が見られるわけではありません。

被害を防ぐためにも、日ごろから付近の土砂災害危険箇所などを調べておき、気象庁が大雨警報を発令した際には、さらに雨量が増えることを見越して、早めに避難するようにしましょう。

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2009年2月、山形県鶴岡市で発生した地滑り災害の際には、市内各所の地面に亀裂が見られた。写真提供:一般財団法人 消防科学総合センター(http://www.isad.or.jp/

 

<<参考>>

▼各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域

http://www.mlit.go.jp/river/sabo/link_dosya_kiken.html

▼土砂災害警戒情報

http://www.jma.go.jp/jp/dosha/

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