11月初旬、西ヨーロッパに「キアラン」と名付けられた爆弾低気圧が襲来し、広範囲に大きな被害をもたらしました。また、月末には黒海の周辺地域が100年に一度といわれる猛烈な「冬の嵐」に襲われ、クリミア半島などの暴風雪や打ち寄せる大波がメディアで報じられていました。さて、日本付近の12月は冬型気圧配置でスタートし、北日本中心に本格的な降雪となっています。最新の予報では、今後は寒気が緩み再び高温傾向に転じることが予想されています。ただ油断は禁物です。クリスマスから年末・年始にかけては発達した低気圧やその後の強い冬型で、数年に1回程度の割合で荒天に見舞われます。高温傾向で推移しそうなこの12月、ジェット気流の蛇行が予想以上に大きくなると強い寒気が一気に南下、年末の日本列島が「冬の嵐」に見舞われるシナリオも想定しておかなければなりません。
平均気温の傾向（12/2~1/1）
12月上旬は上空の寒気が次第に緩んで、全国的に気温は平年よりもやや高くなるでしょう。その後も冬型気圧配置は長続きせず上空寒気の南下は北日本にとどまる見込みです。そのため、年末にかけて西・東日本を中心に比較的暖かな日が多くなる見通しです。
降水量の傾向（12/2~1/1）
日本の南には例年以上に暖かく湿った空気が分布する見通しです。そのため本州付近や南海上を数日の周期で低気圧や気圧の谷が通過し、北日本を含めて太平洋側で降水量が多くなる見込みです。なお、期間後半に予想以上の強い寒気が南下する場合には、低気圧が急発達し荒れた天気になるとともに広範囲で降水（雪）量が増加する可能性があります。
（気象予報士：ファーマー）
