冬を告げる雷「鰤起こし」

来週18日(火)頃、本州付近には今シーズン一番の強い寒気が南下し、本州でも日本海側の山沿いでは広く雪となる見込みです。北陸や山陰では、雨からあられや雪へと変わり、いよいよ冬の気配が濃くなってきそうです。この時期、日本海側では独特の気象現象が見られます。それが「冬季雷」。寒気が流れ込むと日本海で雲が急発達し、雷鳴がとどろくことがあります。北陸では、冬の訪れを告げるこの雷を「鰤起こし(ぶりおこし)」と呼んできました。11月下旬に雷が鳴ると寒ブリがとれ始めることから、豊漁の知らせとして親しまれてきた言葉です。最新の予報では、この寒気の流入は一時的で、強い冬型は長続きしない見通しです。それでも、この「鰤起こし」の雷が響くと、季節は確かに冬へと舵を切り始めます。あられ、雪、冬季雷、そして海の気配――北陸には冬の足音が近づいています。

平均気温の傾向(11/15~12/14)

18日(火)と22日(土)頃には冬型気圧配置が強まり、全国的に冬の寒さとなるでしょう。ただ、冬型は長く続かず、11月最終週から12月上旬は、高気圧が周期的に本州付近を通過するようになり、寒さは和らぐ見込みです。そのため、期間を通した平均気温は、西・東日本では平年並みで、寒気の流入が例年より少ない北日本はやや高めとなる見込みです。

降水量の傾向(11/15~12/14)

11月最終週から12月上旬にかけて、移動性高気圧に覆われる日が多く降水量は平年を下回る見通しです。北日本では来週は雪や雨の降る所が多くなる見込みですが、その後は周期的に天気が変化し、期間全体としては概ね平年並みとなるでしょう。

(気象予報士:ファーマー)

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