ことし6月の月平均気温は、統計開始以来で最も高くなりました。7月に入っても全国的に猛暑が続き、ここまでの気象の流れは3年前の2022年とよく似ています。6月下旬から7月上旬にかけての厳しい暑さ、そして例年より大幅に早い梅雨明け宣言も共通しています(2022年はその後、梅雨前線が再び活発化し、梅雨明け日が大幅に修正されました)。さらに、各地でゲリラ豪雨が相次ぎ「記録的短時間降水情報」の発表回数が非常に多かった点も共通しています。8月上旬には、東北や北陸で総雨量が平年の数倍に達し、広範囲に土砂災害などによる深刻な被害が発生しました。ことしは太平洋高気圧が北に偏って張り出し、北日本や北陸周辺の海面水温は平年より5℃前後も高くなっています。雨の原料となる水蒸気が非常に多く、低気圧の通過や熱帯低気圧(台風)の動向次第では、北日本などで再び災害級の大雨となる可能性があります。2022年の記憶を教訓に、備えを今一度見直したいところです。

平均気温の傾向(7/12~8/11)
来週末(18日頃)以降、太平洋高気圧の勢力が強まるため、全国的に本格的な夏空が広がるでしょう。7月下旬は広い範囲で連日の猛暑に見舞われそうです。8月に入っても高温傾向が続く見通しです。

降水量の傾向(7/12~8/11)
例年、この時期には西日本の日本海側で梅雨末期の大雨が発生しやすいですが、今年は前線活動が弱く、降水量は平年を下回る見込みです。本州付近では太平洋高気圧の勢力が強く、連日のように強い日差しが照り付けるでしょう。一方で、山沿いを中心ににわか雨や雷雨の発生が多くなる見込みです。沖縄・奄美では不安定な天気となりやすく、降水量は平年を上回る見通しです。
(気象予報士:ファーマー)