6月に入っても、まだ台風の発生がありません。台風1号の発生が遅い年は、太平洋高気圧の勢力が例年より強まり、梅雨明け後に猛暑となる傾向があります。近年では、1998年や2016年などが該当し、いずれも記録的な高温となりました。今夏も「酷暑」に見舞われる可能性がありそうです。気象衛星画像では、フィリピンの東方海上に雲域が広がりつつあり、気象モデルの中にはこの雲域で熱帯低気圧が発生、台風1号に発達すると予測しているものもあります。さらに、沖縄付近を通過し日本海へ北上するシナリオも描かれています。来週には、西・東日本付近に梅雨前線が停滞し、相次いで梅雨入りとなる見込みです。さらに週末には、台風が前線を刺激して本州にまとまった雨をもたらすおそれもあります。本格的な雨の季節が近づいてきました。大雨への備えは早めに進めましょう。

平均気温の傾向(6/7~7/6)
太平洋高気圧の勢力が徐々に強まり、日本付近には南からの暖かい空気が流れ込みやすくなる見込みです。特に期間の初めは、梅雨前線が日本海まで押し上げられて、西・東日本を中心に蒸し暑さが急に増すでしょう。梅雨前線の活動には強弱があり、例年の梅雨期に比べて晴れ間の出る日が多くなりそうです。このため、期間を通じた平均気温は、全国的に平年より高くなると見込まれます。

降水量の傾向(6/7~7/6)
本州では概ね平年並みの降水量が予想されています。一方で、期間の初めには梅雨前線が西・東日本付近に停滞、熱帯低気圧あるいは台風の影響が加わると、広い範囲で大雨となるおそれがあります。最新の情報をこまめに確認し、土砂災害や浸水などへの備えを進めておきましょう。
(気象予報士:ファーマー)