夏の天気とコメの作柄

ことしは沖縄や奄美より先に九州南部が梅雨入りし、その後も寒冷渦の影響による大気の不安定や、北海道での3日連続の夏日など、5月後半は全国的に落ち着かない天候が続いています。一方、夏の天気の主役となる太平洋高気圧は、すでにハワイ諸島からフィリピン周辺まで勢力を広げており、6月中旬には梅雨前線を本州付近まで押し上げ、各地で本格的な雨の季節を迎えることになりそうです。こうした中、このところ「米価の高騰」や「令和の米不足」といった話題が、昨年から続いています。コメの作柄は、梅雨期の冷害や夏の猛暑によって左右されます。かつては冷気をもたらすオホーツク高気圧による冷害が問題となりましたが、近年では猛暑による悪影響が目立ちます。最近では、2023年の夏が記録的な高温となり、生育の早まりによる悪影響や開花期の高温障害、病気・害虫の増加による品質低下が顕著でした。今夏も太平洋高気圧の勢力が例年以上に強まりそうで、猛暑となる可能性が高まっています。コメの品質と収量を守るためにも、過度の高温や台風の影響が抑えられることを願いたいところです。

平均気温の傾向(5/31~6/30)

期間の初めは上空の寒気やオホーツク海方面からの冷涼な気流により、西・東日本で気温が平年を下回る日があるでしょう。その後は暖かい空気に覆われることが多く、例年よりも曇りや雨の日が多くなりそうな西日本では平年並みかやや高め、その他の地域では平年よりも高くなる見込みです。

降水量の傾向(5/31~6/30)

北日本や西日本太平洋側では、低気圧や前線の影響を受けやすい時期があるため、降水量は平年並かやや多くなるでしょう。なお、九州南部を除く本州各地の梅雨入りは、いまのところ6月中旬から下旬ごろとなる予想で、平年並みかやや遅くなる見通しです。

(気象予報士:ファーマー)

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