春を彩る桜の季節が近づいてきました。最新の開花予想によると、東京が最も早く3月24日、福岡3月26日、大阪・名古屋3月27日、仙台4月5日、そして札幌が4月24日となっていて、桜前線は約1ヶ月かけて日本列島をゆっくり北上します。桜といえば「ソメイヨシノ」が最も馴染み深い品種ですが、そのルーツをたどると江戸時代の染井村(現在の東京都豊島区駒込)に行き着きます。この地では、もともとヤマザクラの苗木が生産され、植木職人たちが多く暮らしていたそうです。ソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交雑によって生まれた品種で、成長が早く、大輪の美しい花を咲かせる特性が評価され、明治以降全国へと広がりました。日本各地で咲くソメイヨシノは、すべて一本の親木をクローンとして受け継いだものです。最初の一本がどのように誕生したのかは不明ですが、受け継がれてきた桜が今年も春の訪れを告げることに、悠久の時の流れを感じます。今後1週間ほどは全国的に気温が平年を上回る見込みで、関東や関西では今月末にも見頃を迎える所があるでしょう。

平均気温の傾向(3/22~4/21)
期間の初めは、全国的に春本番を想わせる陽気となり、桜の開花が進むでしょう。来週末(3/29頃)から5日間程度は寒気が流れ込む予想で、西日本や沖縄・奄美を中心に、気温が平年を下回る見込みです。その後は再び暖かい空気に覆われるようになり、全国的に4月らしい暖かさとなるでしょう。

降水量の傾向(3/22~4/21)
例年同様、期間中は本州付近を高気圧と低気圧が交互に通過する見込みです。そのため、降水量は概ね平年並みとなるでしょう。なお、北日本付近を発達した低気圧が進む時期があり、北・東日本の日本海側の降水量は、平年よりもやや多くなる見通しです。
(気象予報士:ファーマー)