北海道オホーツク海沿岸には、例年であれば1月下旬頃から流氷が沖合に現れ、流氷観光のシーズンが始まります。そして2月上旬には、網走や知床などにも接近・接岸し、多くの観光船が出てにぎわいます。ところが、今年は2月に入ってようやく紋別(網走の北西約80km)周辺で確認されただけという状況です。流氷の南下が遅れている主な要因は、シベリアの寒気の弱さにあると考えられます。オホーツク海の流氷は、極寒のシベリアを流れるアムール川の真水が流れ込み、海水が冷却されることで形成されます。それに加えて、通常であればシベリアの強い寒気がこの海域を冷やし、氷が厚みを増しながら南下します。しかし、今冬は寒気が弱く、流氷が成長しにくい状況が続きました。また、北海道のオホーツク海沿岸部では厳しく冷え込む日が少なく、気温が-10℃以下の日が続かないことで、流氷接岸のための条件が整いませんでした。2月に入ってシベリアの寒気が強まり、本州の日本海側で大雪となりましたが、それでも流氷の南下には十分ではなかったようです。最新の予報によると、今月後半は、再び冬型の気圧配置が強まる予想となっています。寒気の流れ込みは西・東日本が中心となる見込みですが、オホーツク海周辺でも気温が一段と下がる可能性があります。ここにきて、ようやく流氷接岸への期待が高まってきました。
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平均気温の傾向(2/15~3/14)
17日(月)から1週間ほどは、シベリア大陸から強い寒気が南下し、冬型の気圧配置が続く見込みです。全国的に厳しい寒さとなる見込みで、特に西日本や東日本で気温は大きく平年を下回る予想です。これまで例年に比べて高めの気温で推移していた北日本も、平年並みの冷え込みとなるでしょう。3月に入ると冬型が緩み、移動性高気圧に覆われる日が増えて、春めいた陽気の日もありそうです。
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降水量の傾向(2/15~3/14)
2月後半は冬型の気圧配置となる日が多いため、日本海側は曇りや雪、雨の日が多くなる一方、太平洋側では晴れる日が多い見込みです。期間の後半は、日本海を進む低気圧の影響で、東日本の日本海側や北日本で雨や雪の降る時期があるでしょう。一方、西・東日本の太平洋側では、春先に特有の南海上を進む低気圧が少ないため、降水量は平年を下回る予想です。
(気象予報士:ファーマー)