信州最大の湖、諏訪湖では、冬になると湖面が全面結氷し氷がせり上がる「御神渡り」という自然現象が見られることがあります。湖面を神様が通った跡とされ、かつては毎年のように発生していましたが、近年ではその姿をほとんど見ることができず、最後に確認されたのは2018年です。諏訪湖が結氷するには、最低気温がマイナス10℃の日が3日続くことが条件とされています。さらに寒波が訪れると、湖面にできた氷の亀裂が盛り上がり、対岸に向かって筋を描くのが「御神渡り」です。2018年の1月は、厳しい冷え込みが続いたため発生しましたが、近年の地球温暖化や暖冬の影響で、諏訪湖が全面結氷すること自体が少なくなっています。最新の予報によると、今月9日から10日にかけて強い寒気が南下し、最低気温がマイナス10℃前後まで冷え込む予想ですが、月半ば以降は寒気が緩む見通しで、どうやら今冬も神様の足跡が現れる可能性は低いようです。御神渡りは、厳しい寒さがもたらす自然現象で、地元の人々や諏訪湖を訪れる観光客に感動を与え続けてきました。その荘厳な姿を再び見るためにも、地球環境の保全が重要な命題となっています。諏訪湖に描かれる神秘の光景が、未来へと受け継がれることを願いたいものです。
来週末(1月12日頃)にかけて、周期的に冬型の気圧配置が強まる見込みです。そのため、全国的に気温は平年並みかやや低くなるでしょう。特に西日本には強い寒気が流れ込み、厳しい寒さとなる日がありそうです。沖縄・奄美地方でも気温は平年を下回る予想です。なお、1月後半にかけては寒気が弱まり、全国的に平年並みに戻る見通しです。
期間前半は冬型の気圧配置が強まり、日本海側では平年を上回る降水量となる所があるでしょう。その後は高気圧に覆われる日が例年より多くなり、期間全体としては平年並みの降水量となる見込みです。また、大陸の高気圧が東シナ海に張り出す影響で、沖縄・奄美では例年より晴れる日が多くなる予想です。
(気象予報士:ファーマー)