12月に入り、多くの酒蔵で日本酒の「仕込み」が本格的に始まりました。日本酒の多くは、12月~2月の寒い冬に造られます。この時期の酒造りを「寒造り」といい、大吟醸酒などその年の最高品質の酒が生産される特別な時期となります。酒造りの要となる「発酵」においては、一定期間の低温状態が不可欠です。寒冷な気候は温度管理を容易にし、雑菌の繁殖を抑えるため、冬は最適な環境といえます。しかし、近年では地球温暖化の影響が酒造りにも及んでいます。暖冬が続くことで冷却や温度管理が難しくなり、造り手たちはより多くの時間と手間を要するようになりました。中には、より寒冷な気候を求めて北海道に移転した酒蔵もあるそうです。さて、最新の予報によると、1月初旬にかけてはシベリアから強い寒気が流れ込みやすく「冬らしい冬」になると予想されています。厳しい寒さの中で仕込まれる今シーズンの日本酒。その一杯を味わえる日が待ち遠しく感じられます。
この期間、シベリアの強い寒気が周期的に南下することが予想されます。西高東低の気圧配置となりやすく、冷たい季節風が吹く日が例年よりも多くなるでしょう。特に、20日前後にかけては冬型が継続して、厳しい寒さとなる可能性があります。気温は全国的に平年を下回る見込みです。
冬型の気圧配置となる日が多く、日本海側は雪や雨が降りやすいでしょう。東日本や北日本の日本海側は、季節風の吹き出しによる降雪に加えて、日本海に発生する低気圧による影響があるため、降水(雪)量は平年よりも多くなる見通しです。一方、西・東日本の太平洋側の各地は晴れる日が多くなる見込みです。
(気象予報士:ファーマー)