北陸の鰤起こし

師走の頃、本州の日本海側では「冬の雷」が発生することがあります。冬型の気圧配置が強まり、シベリアから冷たい季節風が吹きこむと、海上で発生した雲が日本海側を覆い、時雨やあられをもたらします。特に師走の頃は海水温がまだ高いため、対流活動が活発となり、雲が積乱雲(雷雲)にまで発達することがしばしばです。雪国ではこの時期の雷を「雪起こし」と呼び、大雪や海上のしけへの注意を促す現象とされています。日本海を回遊する鰤(ブリ)の漁期と重なることから、北陸地方では「鰤起こし」という特有の表現が使われます。最新の予報によると、12月には周期的に冬型気圧配置が強まる予想となっています。全国的に師走らしい寒さとなり、例年以上に鰤起こしの響く日が多くなるかもしれません。

平均気温の傾向(1130~12/29)

周期的に冬型の気圧配置が現れ、12月第2週(12/8~)には、この時期としては強い寒気が南下する可能性があります。西日本の平野部からも初霜や初氷、また初雪の便りが届き始めるでしょう。これまで気温が平年よりも高めで推移していたため、12月は気温以上に寒さを感じる日が増えそうです。

降水量の傾向(11/30~12/29)

太平洋側では冬型気圧配置による「冬晴れ」の日が多くなるため、降水量は平年値を下回る見込みです。一方、東・北日本の日本海側では、日本海から進む低気圧の影響や、季節風の吹き出しの影響で雨や雪が多くなり、降水量は平年をやや上回ると予想されます。

(気象予報士:ファーマー)

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