松葉ガニと冬の日本海

山陰地方では、成長したオスのズワイガニを「松葉ガニ」と呼びます。ぎっしりと詰まった身と上品な旨味が特徴で、この地方を代表する冬の味覚として親しまれています(福井では「越前ガニ」と呼ばれている)松葉ガニ漁は11月上旬から3月までの冬の日本海で行われます。例年、低気圧や強い季節風の影響で海が荒れやすい時期です。現地の漁家によると「昨年は11月中に2回ほどしけがあり漁獲量が少なかったが、今年は天候に恵まれ漁獲量が安定しているため、価格が昨年より2割ほど安い」と、うれしい知らせが届いています。さて、最新の予報によると、12月にかけて徐々に本来の冬らしい天気に移行する見通しです。「発達した低気圧が日本海を通過し、その後冬型気圧配置が強まる」という典型的な冬のパターンが周期的に現れると予想されています。そのため、日本海は例年以上にしける日が多くなる可能性があり、漁獲量への影響が懸念されます。年末年始のカニ料理を楽しみにしている方も多いと思いますが、今後のカニのお値段が少し気になるところです。

平均気温の傾向(11/23~12/22)

この先は周期的に冬型の気圧配置が現れるようになり、冬本来の寒さとなる日が増える見込みです。日本海で低気圧が発達し強い南風が吹いた後に、シベリアの強い寒気が一気に南下するため、気温の変動が大きくなる傾向があります。太平洋側では空気の乾燥が進むことも予想され、しっかりとした体調管理を心がけましょう。

降水量の傾向(11/23~12/22)

期間後半には、冬型気圧配置が数日間続く時期があるでしょう。そのため、東日本や北日本の日本海側では雪や雨の日が例年よりやや多くなる予想です。その他の地域では、概ね平年並みの降水量となるでしょう。

(気象予報士:ファーマー)

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