融雪洪水に要注意

3月中旬になると、積雪地域では気温の上昇とともに融雪が進みます。特に、北日本や中部地方などの山岳部では、発達した低気圧の通過に伴う大雨が重なると、一気に雪解けが進み「融雪洪水」が発生することがあります。2018年3月には、日本海を進んだ低気圧による気温上昇と大雨のため、北海道各地で床上浸水(28 件)や床下浸水(61件)などの被害が発生しました。標茶町では1,270世帯、足寄町では88世帯に避難指示(緊急)が発令され、各地でなだれも発生。また、冠水によるJRの運休や道路の通行止め、航空機の欠航など、交通機関にも大きな影響が出ました。最新の予報によると、4月初めにかけて北日本や東日本では高温傾向が予想されています。今年の冬は日本海側でたびたび大雪となり、積雪量が平年を大きく上回る地域が多くなっています。例年、5月初めにかけて融雪洪水発生のピークを迎えます。特に3月後半は気温の変動が大きく、急激に上昇することも珍しくありません。日本海に進む低気圧の動向には十分注意し、早めの対応を心がけることが大切です。

平均気温の傾向(3/8~4/7)

大陸の寒気が後退し、日本付近の上空は暖かい空気に覆われる日が多くなる見通しです。また、来週半ば(3/11~13頃)をはじめ、低気圧が日本海を発達しながら進むことがあり、暖気の流入で気温が上昇するでしょう。なお、西日本や沖縄・奄美は寒気の影響を受ける時期があるため、期間全体としての気温は平年並みとなる見込みです。

降水量の傾向(3/8~4/7)

この時期らしく、天気は周期的に変化する見込みです。そのため、降水量は概ね平年並みとなるでしょう。なお、冬型気圧配置となることが例年より少ない見通しのため、北・東日本の日本海側の降水量は、平年をやや下回る見込みです。

(気象予報士:ファーマー)

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