近畿地方では昨年と同じ日に史上最も早い「木枯らし1号」の発表がありました。東京も「今日か明日か?」とざわざわ。木枯らし1号が話題になる時期ということは冬の足音も大きくなる頃。空気が乾燥して星の観察がしやすくなります。
■11月の星空は「食」が2つ
最大の注目イベントは11月19日の部分月食です。部分といっても「たいへん深い部分月食」と呼ばれるような大部分が隠れる月食になります。詳細についてはまたお伝えしたいと思いますが、天候に恵まれたら全国で見られますので今のうちにカレンダーに記載・アラートを設定して見逃さないようご準備を!
もうひとつの「食」は昼間に起こるため、残念ながら観察するのはとても難しい11月8日の金星食です。金星食は月が地球と金星の間を通って金星を隠すために起こる現象です。月と金星の通り道がずれていることでなかなかない珍しい現象で、今回の金星食を観測できるのは、九州の一部・沖縄・小笠原諸島などを除いた地域となります。ちなみに東京では13時46分41秒から金星食が始まり、13時48分48秒に完全に隠されます。食の終わりは14時40分00秒です。
※ 珍しい現象なので観測したい!と思われる方も多いかもしれませんが、昼間なので観測には十分な注意が必要です。双眼鏡や望遠鏡の操作を誤るなどして太陽を見てしまうと大変なことになります。失明の可能性も否めないほどの重大な事故につながる危険がありますので観察する場合には注意して絶対に太陽を見ないようにしてください。
■天王星が見頃
夜半に空を見上げると木星や土星がキラキラと光っています。ですが、太陽系の惑星のうち、地球から遠い天王星はその遠さのためあまり明るくは見えません。その天王星が11月5日に衝となって見ごろを迎えます…といっても一番明るい頃でも5.6等程度で肉眼でぎりぎり見えるかどうか、といったところです。できる限り暗い空で観測されることをおすすめしますが、もし見えなかったとしても澄んだ秋の空を楽しんでいただけたらと思います。
朝晩はかなり冷えてきましたので防寒対策をしっかりと。周囲の安全にもしっかり気を配ってくださいね。
■おうし座北流星群としし座流星群
11月上旬から中旬にかけて、おうし座北流星群が活発になります。時間に関係なくほぼ一晩中見られますが、1時間に2個程度とやや控えめです。できれば上旬の方が月の影響を受けづらく、観測に向いていると言えるでしょう。
11月18日未明にはしし座流星群がピークを迎えます。ただ、満月前夜ということもあり条件はかなり悪め。流星が1つでも見えたらラッキー!くらいのゆったりとした気持ちで観測するのが良いかもしれません。
今年もあと2ヶ月だなんて時間が過ぎていくのは早いですね。これから師走にかけてさらに忙しくなると思いますが、たまには手を休め夜空を眺めてみてください。
(コラム担当:F)