ヒアリの恐怖、再び。

数年前に、ヒアリ類(ヒアリとアカカミアリ)が海外から運ばれてきたコンテナについて積み荷と一緒に国内に侵入したことが報じられました。その後も何度か発見情報が報じられてきましたが、今年も大阪や東京都内で100匹を超えるヒアリが見つかったとの報告があり、警戒が呼びかけられています。

ヒアリやセアカゴケグモなどは「外来生物」です。外来生物は法律で「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物」と定義されています。
もともと日本には生息していなかった生物が、海外からの積み荷や他の荷物に紛れるなど、何らかの理由で日本にやってきてしまい、そこで定着してしまうとどうなるでしょう?
日本の生態系や農作物に何らかの影響を与えることは必至、被害を与える可能性があります。人間への被害も例外ではありません。環境の違いなどから生息や繁殖が難しいケースもありますが、中には環境に馴染んでそのまま定着することができる生物もいるようです。
特にニュースなどでも大きく取り上げられたヒアリ類やセアカゴケグモなどは、人の生命・身体への被害が報告されており、危険な外来生物(特定外来生物)として注意を呼び掛けられています。

■どうやって見分ければよい?

警戒するといっても小さなアリです。気付いたら足元にアリがいた!なんてことも多々あるでしょう。むしろ、普段から足元のアリを注意しながら歩いている人の方が少ないと思います。ただ、夏の時期はサンダルや草履など素足を出している機会も多いので、他の季節よりは注意した方が良さそうです。
ヒアリは赤っぽい色をしており身体的にもいくつか特徴がありますが、小さな生き物なので今目の前にいるアリがヒアリかそうでないかを区別することは、素人には難しいと考えるほうがよいでしょう。
重要なのはアリを素手で触ったり、アリ塚をつついたりしないこと。ヒアリじゃなくても、アリに噛まれたら痛いですし、しばらくチクチク痛みます。

■ヒアリに刺されたら死ぬって本当?

ヒアリは毒針をもっていて、人を刺した実績が多い危険な外来生物の仲間です。ですが、刺されたら必ず死ぬということではないようで、落ち着いて対処することがもっとも重要です。アリ塚を踏まないように注意する、万が一間違えてアリ塚を踏んでしまい、大量のアリが出てきて身体にまとわりついたら、手足を強く振って素早く払い落としましょう。

■それでも刺されてしまったら!

海外のヒアリの毒による死亡例は、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)によるものだそうです。刺されてから20~30分以内に、頭痛・動悸・吐き気などで気分が悪くなったり、じんましんが出たりするなどの症状があれば、急いで治療をする必要があります。
また、アレルギー反応は初めて刺されたときに出やすいようです。アレルギー症状が出なければ市販の虫刺され用の薬などを塗布して対処すれば問題なさそうですが、心配な人は病院に行った方が良いかもしれません。

■ヒアリと闘ってくれるのは日本のアリ!?

ヒアリのニュースが報道された後は、全国各地でアリの駆除剤が品切れになるほど売れたそうですが、これを乱用すると日本に本来いる普通のアリも全部殺してしまうことになりかねません。外来生物を駆除する行為が本来の生態系を崩す原因にもなるのです。実は日本のアリたちが外来種のヒアリとたたかってくれる大事なアリであることも、覚えておいてくださいね。

ヒアリかな?と思ったら
環境省ヒアリ相談ダイヤルへ!
0570-046-110

環境省ホームページ

(コラム担当:F)

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