都心でも雪が!というニュースの後に、今度は「春がきたような気温」が予想され、前日との気温差が6〜8度もありそうな地域が・・・。こんな時に注意したいのが「気象病」です。気圧や気温、湿度などの環境の変化によって、身体に不調を感じる現象のことを「気象病」といいます。二日酔いでも風邪でもなく、とくに思い当たることがないのに頭が痛い…なんて体験はありませんか?
■気象とホメオスタシス
気温・気圧・大気の状態、雨が降る、風が吹くといった現象について「気象」と表現しますが、気象や環境の変化に自分の身体を適応させるしくみとして「ホメオスタシス」が関係しています。ホメオスタシスは「恒常性維持機能」といって、多少の気温差や、気圧の変化、湿度の変化(ストレス=刺激)などにうまく対応し、心身のバランスを一定に保とうとしてくれる機能です。
■イライラしがちで「夫婦喧嘩注意報」!?
例えば朝と夜で急に気温が変わる、前日との気温差が激しい、急な天候の崩れなど、気象の変化が大きな日が続くと、身体がついていけなくなる場合があります。毎年だいたいこの時期にメディアなどで「夫婦喧嘩注意報」が話題になったりして、激しい気温差によるイライラや体調不良への注意を促しています。心身のバランスを保つホメオスタシスがフル稼働し、オーバーワークになってしまうんですね。
「夫婦喧嘩注意報」は公式な気象用語(注意報)ではありませんが、心身の変化やちょっとしたイライラは自分ではなかなか気づきにくいもの。家族や職場などで、対人関係に少し気をつける、辛いときに無理をしないよう心がけるきっかけになりそうですよね。
■気温・湿度・気圧がカラダに与える影響について
私たちの身体は、暑いと血管を広げて熱を外へ出そうとし、寒いと熱を逃がさないようにする機能をもっています。この暑い・寒いと感じさせるのは気温だけではなく湿度も大きく関係しています。例えば同じ湿度50%でも夏と冬では感じ方が違う、といった具合です。これが発汗にも影響するので、体感としてどうか、身体の機能がどのように動くか、個人差も含めて少し複雑です。
また、気圧は血管の伸縮に影響を与えます。エレベーターで高層階に行く時、耳がツーンとしたりする症状が、体内の各所で起こる可能性があるということです。こうした変化に身体は常に平衡を保とうと動いてくれていますが、それが度重なると疲れてしまって体調を崩しやすく(コントロールがしづらく)なるといわれています。
■少しの不調が他の病気を招くことも?
インフルエンザだけでなく、新型の肺炎「コロナウイルス」の脅威にも晒されています。マスクの着用、手洗い・うがいは徹底してください。また、日頃の体調管理も重要です。特にこんなに気温差が激しいと体調を崩しやすくなり、ちょっとしたことで風邪を引いたり、食欲が落ちたり、もともと持っている免疫力や抵抗力が低下しやすくなりますので、十分にご注意ください。
朝ごはんをしっかり食べる、栄養のバランスを考えた食事、十分な睡眠と適度な運動。昔から言われていることばかりですが、とても大切なことばかりですので、どうか皆さま、くれぐれもご自愛ください。
(アール)