猛烈な台風発生!の後、冬の気配濃厚に。

11月に入っても台風23号、24号が続いて発生しました。台風23号は「猛烈な台風」へと急速に発達したと報じられ、台風シーズンはいつまで続くんだろう?と不安になっていたところ、11月4日に近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたとの発表がありました。昨年より18日も早いそうです。

日本には四季を感じる風や季節の変わり目の風があり、それぞれ名前がついています。春一番・薫風・南風・空風・木枯らし・ならい…薫風や南風のようにその頃の気候を表現した名前もあれば、春一番のように注意喚起を促す意味で重要なものも。

長く続く雨、記録的に少ない日照時間、猛烈な暑さ、台風が次々と襲来、今年の春から夏にかけて異常な気配が濃厚でしたが「木枯らし1号」の発表で、冬は毎年やってくるんだ、と安堵した気持ちになった方も多いのでは。

■木枯らし1号とは、どのような風のこと?

気象庁のHPを見ると、木枯らし1号については以下のように書いてあります。

・冬型の気圧配置であること=つまり「西高東低」
・北よりの風であること
・最大風速8m/s以上であること
・10月半ばから11月末までの間であること

この強い風によって災害の可能性がある場合には注意報や警報も発表し、警戒を呼びかけたり促したりされます。気象庁などのサイトで過去の記録を見てみると、1951年から2017年までで「木枯らし1号」が「発生せず」とされている年が4回ありました。


■東京と大阪のみ、地域限定!?

木枯らし1号の記録は「東京」と「大阪」しかありません。他のどんな地方で上記の条件が揃っている風が吹いたとしても、「木枯らし1号」として発表されることはありません。それはなぜ?とあちこち調べたところ、次のようなことがわかりました。

① 気象庁ではもともと「木枯らし1号」は扱っておらず、マスコミからのリクエストで発表がスタートしたとのこと。気象庁でやってなかった=つまり「これ」という明確な判断基準も設定されておらず、発表が始まった当時は天気図で判断していたそうです。

② 上記に書いたような「定義」は、代々受け継がれて徐々に設定された。…というもので、過去をたどることができる記録が東京と近畿(大阪)にしかなく、だから今のこのような状況になっている。

③ 木枯らしに関する体感は人によって違うので、基準を設定するのがとても難しく、気象関連各所の方々も胃の痛い思いをしていらっしゃるとか。

最初に少し触れましたが「春一番」は北海道・東北をのぞく全国各地で発表されています。「春一番が吹いたら突風が発生しやすくなるので、災害などには十分気をつけてください!」という注意喚起や啓蒙の意味が強いんですね。

11月7日現在、東京で「木枯らし1号」の発表はまだですが、木枯らし1号が吹く時期になったということは冬がすぐそこにきているということです。乾燥や風邪、インフルエンザ、食中毒など、これからは「冬に備えた対策」を。皆さま体調にはくれぐれも気をつけてください。

(アール)

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