サクラの満開情報をチェックしたり、お花見の計画を立てている時期なのに、もう台風の話?と思われるかもしれませんが、気象庁から台風に関する「最新情報」が発表されましたので共有させていただきたいと思います。
気象庁が発表している「台風情報」は、これまでの歴史の中で何度もバージョンアップされてきました。以下、ここ30年間の改善の歴史です。
• 1982年・・・予報円方式を開始
• 1986年・・・予報円+暴風警戒域方式を開始
• 1989年・・・48時間進路予報開始
• 1992年・・・72時間進路予報開始
• 1997年・・・予報円の改善(確率60% → 確率70%)
• 2000年・・・予報円の改善
• 2001年・・・48時間強度予報開始
• 2003年・・・72時間強度予報開始
• 2004年・・・予報円の改善(平均で約10%縮小)
• 2007年・・・台風情報の充実(24時間先までの3時間刻みの予報、最大瞬間風速の予報、暴風警戒域全体を囲む線の表示等の開始)
• 2008年・・・予報円の改善(平均で約15%縮小)
• 2009年・・・5日進路予報開始
• 2016年・・・予報円の改善(平均で約20~40%縮小)
• 2019年・・・5日強度予報開始
4~5日先については「進路」のみだった予報が今年から5日先の最大風速など「強度」の予報もスタート!これは大きな改善ですね。これまでの改善の方向は3種・予報期間を延ばすこと・情報の見せ方・精度(予報円を小さくすること)などでした。2007年に大きな改革がありましたが、他にも注目すべきトピックスとして1997年の改善では確率が10%アップ、2016年の改善では、予報円がだいぶ小さくなっています。予報円が小さくなる、ということはつまり「台風の中心がどこにいくか、予想される範囲が狭くなる=精度がアップする」ということです。
台風の進路予報の精度向上を理解するには気象に関する専門知識が必要ですが、各種データを参考値として総合的に判断している、ということがわかりました。日本だけのデータではなく「地球全体」を対象として観測されたデータが利用されているようです。
台風が発生して、気になるのは進路や強度ですよね。特に進路に関しては予報円のどこに中心がいくかわからない!ちなみにあの予報円は「過去の統計に基づいている」んだそうです。「あの予報円の見方、イマイチよくわからない・・・!予報円を見たら、日本を縦断する感じで丸の中に列島全部入っているじゃないですか!でも全然こなかったこともありますよね」と、思われた方。あれには「見方」があるのです。
「台風中心が予報円に入る確率」が70%近い
これが前提です。
つまりこういうことです。
この図は“予報円の中に台風の中心が入って”いますが、AとBでは、その後全く違う進路になりますし、台風による影響の範囲も大きく変わります。図のBの位置に入ってしまうとその後の日本国内、とくに東京や関東は大荒れになるかもしれないですが、Aの位置に中心が入った場合は、Bの位置に比べると関東地方にはあまり大きな影響は見られない可能性が高くなります。
台風の予報作業はいくつもの手順を経て、分析・計算の上で成り立っています。データだけに頼ることなく、予報官がチェックして検討・修正も行われます。そこまでやっても100%の精度にはならない、というのは自然の驚異としか言いようがありません。
ここ数年、大雨や台風による被害が甚大で深刻な問題になっています。気象庁をはじめ、民間の気象会社も気象予報士も天気や台風の進路を「当てる」のが目的ではなく、気象異常によって起こる被害を最小限に食い止めたい、被災者を一人でも減らしたい!という思いで、日々精度のアップに努力している、ということがよくわかりました。
4~5日前に以前よりも情報が増える、ということは、その分、対策や準備をする時間を多く貰えるということです。日頃の備えはもちろん重要ですが、いざ!というときが「直前」にならないよう、日頃から興味を持って見ていただけたらと思います。
本日は気象庁から発表されたホットなニュースとして最新情報のお届けでした。ライフレンジャーのアップデート(この情報の対応)が決まりましたらまたお知らせしたいと思います!
(アール)