列島各地で大雨による警戒が発令されています。災害をもたらすほどの大雨を降らせているのは「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」ですが、この「線状降水帯」については、気象学的に厳密な定義が存在しておらず、長さ約50~300km・幅20~50kmに及ぶ降雨帯のことを指します。
一般には聞き慣れない言葉だと思いますが、ニュースでも頻繁にこの言葉を耳にするようになりました。ライフレンジャーでも何度か触れた話題ですが、今一度、お伝えしたいと思います。
■線状降水帯はどのように形成されるのか
線状降水帯の形成過程はいくつかありますが、日本でよく見られるのはバックビルディング型と呼ばれるものです。
バックビルディング型とは、積乱雲が風上側の同じ場所で次々と発生して成長しながら風下側に流され線状になっていくこと。このため、同じ場所で長時間大雨が続くことになるのです。
死者77名(災害関連死者を含む)、負傷者44名、家屋の全壊133棟、半壊122棟という甚大な被害をもたらした2014年8月に発生した広島の土砂災害や、多くの方々が避難生活を余儀なくされた九州北部豪雨もこの線状降水帯によって引き起こされたものです。
こちらの画像は、昨年の「平成29年7月九州北部豪雨」のとき、雨レーダーが捉えた線状降水帯です。線状降水帯のメカニズムをすぐに理解するのは難しいかもしれませんが「線状降水帯=大雨が同じ場所で続く、災害の危険がある」と覚えておいてください。
そして、ニュースなどでこの言葉を耳にしたら、十分な警戒をして早めの避難や行動に繋げていただけたらと思います。