このサカナを食べるには「条例」によって色々と決まりがあるんです。なぜなら「猛毒」を有するサカナだから…。今回は秋~冬にかけてもっとも旬な「フグ」の話題をお届けしたいと思います。
日本で食用とされているのは、主にトラフグとマフグ。いわずと知れた高級魚・フグは、水揚げの本場山口県などでは「福」にかけて「フク」と呼ばれているそう。俳句に詠まれたり書籍になったり、何かと話題も豊富なフグの歴史を辿ってみると、これまた興味深いことがわかりました。
■中毒死が続出!豊臣秀吉が「フグ食禁止令」を発令
フグの歴史は随分古く、縄文時代の貝塚からフグらしき歯が出土したなどの記録があるようです。1592~1593年頃、明国への遠征軍が九州に集められましたが、このとき多くの武士がフグの中毒で死亡しました。これをきっかけに当時、天下を統一した豊臣秀吉が「河豚食禁止の令」を発布。以来、フグを食べることは厳しく禁じられ取り締まられたそうです。
■あまりの美味しさに「解禁」したのはあの人!
禁断の食となってしまったフグを復活させたのは、1000円札の顔となった伊藤博文。明治時代に、周囲の反対をものともせずフグを食べた伊藤博文は、その味にすっかり感激して「フグ食べて良し!」と解禁令を発令。フグに関する食や商業の基礎を築いたとも言われているようです。
■条例で守られています
とはいえ、実際、フグには毒があります。その大部分は内臓で、いわゆる肉(身)の部分には毒がありません。けれどフグに詳しくない人が調理をすると安全な処理ができないため、フグを食べるにはちゃんとした認可を受けた人(や店)でないとダメです、と条例で定められています。
こんにちは、アールです。フグを食べる日はなんらかの記念日!と決めておりましたが、それが叶ったのは当時お世話になっていた先輩の独立祝いでした。あの透き通ったプリプリの身。一口目にはさすがにわずかながら躊躇がありましたが、二口目からはもう! フグにまつわるエピソードを知ると、また違った味わいが楽しめそうで久しぶりに食べてみたくなりました。