先日、青森県鰺ヶ沢町のスキー場で「バックカントリー」で滑走していたツアー客とガイドの2人が雪崩に巻き込まれ、けがをしました。幅100メートルの雪塊に乗ったまま約1キロ流されたとのことです。このような雪崩には「全層雪崩」と「表層雪崩」の2種類があります。「全層雪崩」は、山の斜面に積もった雪が全て滑り落ちる現象で、主に春先の気温上昇や降雨が引き金となります。重い雪が滑り落ち、時速40~80㎞と自動車並みの速さで流れるのが特徴です。一方「表層雪崩」は、古い雪の上に積もった新雪部分が崩れるもので、1~2月の大雪時に発生しやすく、スピードは時速100~200㎞と新幹線並みに達することもあるそうです。最新の予報によれば、期間中は全国的に気温が例年より高めで、北日本では平年値を大きく上回る可能性があります。特に積雪が多い東日本や北日本の山地では、気温上昇により雪崩のリスクが高まることが懸念されます。冬山登山やバックカントリースキーを計画されている方は、地元気象台が発表するなだれ注意報や気象情報をこまめに確認し、安全を最優先に行動するよう心掛けましょう。
北・東・西日本では、大陸から南下する寒気が弱く、予報期間中の気温は例年に比べて高い日が多くなるでしょう。特に、北日本では期間の前半は平年値を大きく上回る見込みです。
2月上旬にかけて冬型が長続きせず、日本付近は周期的に移動性高気圧に覆われる見通しです。そのため、東・北日本の日本海側の降水(雪)量は平年を下回る予想です。なお、東海や関東甲信では南海上に発生する気圧の谷の影響を受ける時期があり、雨量は平年よりやや多くなるでしょう。
(気象予報士:ファーマー)